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team DC氏よりの投稿カイゼン活かすサイトでは、ITシステム運用経験が豊富なシニアの方々にアドバイザリーボードメンバとして活躍していただいております。当コラムへの寄稿や会員情報交換サイトでのアドバイス等をお願いしております。当コラムでは、経験を通した貴重な情報の提供、現在のITシステム運用への提言等を掲載いたします。 [2006年7月5日]
第1回 物作りとシステム作り 〜IT業界は20年遅れている (team DC氏よりの投稿)はじめに・・・私はこんな人です。私は約30年前にオーディオ業界に就職し、設計部門に配属されて以来、約20年間、オーディオ機器の機構系設計一筋に過ごしてきました。その私が10年前に突然、情報システム課への異動を命じられたのです。“技術のシステムを良いものにするには、技術部門の課長を情報システム課長に”という工場長の考えからでした。40歳を過ぎてからシステム部門の長になったのですから、それからは苦労の連続でした。 情報システム課へ異動した初日、課長席に座って周りを見てもほとんど知らない顔ばかりでした。それだけこれまでシステム部門とのつながりがなかった、ということなのです。ところが、システム部門に文句を言いに来る人たち(=ユーザ)の顔は全員知っていました。つまり、ユーザの立場がわかるシステム部門の長にすべき、という工場長の意図だったのでしょう。 私がまず困ったのは“言葉の壁”でした。機構系の設計を担当していた私は絵(図面)で考える習慣があり、情報システムの抽象的な表現を理解することも容易ではありませんでした。あれから10年、システム用語も大分わかるようになりました。 10年前にどうしても理解できなかった不思議な言葉の1つが“運用”です。オーディオ機器の設計という世界と情報システムの世界の両方に、長い時間身を置いてきた私ですが、“運用”について自分なりに考えてきました。IT業界の方々とはちょっと違った視点になるかもしれませんが、“運用”についてこれまで考えたことや感じたことを綴っていきたいと思います。 物づくりの世界とシステムの世界を対比すると・・・システム部門に異動してから何ヶ月か経ち、システムについておぼろげながらわかってきて、“物づくりの世界とシステムの世界はまったく同じだ!”と気づきました。 物作りのプロセスでは一般に、企画・設計〜生産・販売、物流・サービスというステップがあります。企画・設計ステップでは、時代にマッチした時期の製品を生み出し、生産・販売、物流・サービスのステップでは、製品を確実に作り、販売し、ユーザをサポートすると共に、品質を維持し、効率を上げる、という使命をもっています。言い換えると、前者は投資(=次の飯の種作り)の工程、後者は利益(=今の飯のため)の工程といえます。 システムについてもまったく同じで、企画・設計は“システム開発”、生産・販売、物流・サービスは“システム運用”と言い換えることができます。よく言われることですが、“システムは運用して初めて企業の利益を生む”のです。“システム開発を怠れば企業の将来はなく、システム運用を怠れば企業の明日はない!”と言ってよいでしょう。 図 物作りとシステム作り
これから“運用に日が当たる”時代に“運用は日が当たらない”という言葉をよく聞きますが、ちょっと待ってください。考え方を変えるだけで、ガラッと意味合いが変わります。 30年前は、電気製品は作れば売れるという時代でした。企業の利益のために“新製品を出す”ことに重きが置かれていました。しかし、10数年前から製品の機能面には優劣の差がなくなり、消費者は製品の品質に目を向けるようになりました。そして、各社は“お客様相談室”を設置するなど、サービス面に力を入れるようになってきました。品質の時代に入ってから、各社は生産、品質保証、サービスに力を入れるようになり、それらの部門にも日が当たるようになったのです。 システムの世界も同じような過程をたどっています。10年ほど前からオープン系のシステムが台頭し、容易に開発できるため急速にシステム化が進められ、飛躍的に効率化が進みました。これは、製品を作れば売れるという時代によく似ています。手作業に比べれば断然効率がよいため、次々とシステム開発が行われたのです。しかし、大部分のシステム化が済んでしまうと、それ以上の大幅な効率向上は望めなくなり、ユーザはシステムの品質に目を向けるようになりました。このシステムの品質こそが、運用の品質といえます。 新しいジャンルの製品やサービスのほとんどは、機能や利便性を売りにしています。しかし、市場が成熟してくると品質面に重点が移ってきます。“機能・利便性から品質へ”という流れが、この世の中の流れだと言ってもよいでしょう。ですから、“いままではシステム開発に日が当たっていた”だけのことで、これからが“運用にも日が当たる”時代なのです。 “IT業界は物作りの業界に比べると20年遅れている”〜物作りの業界の流れを見れば、IT業界の進む方向が見えてくる。私はそう思っています。 |


