カイゼンのヒント

ITインフラの可視化とその効能

ビジネスの世界で最近良く耳にするトヨタ式「カイゼン」。その改善に欠かすことの出来ないキーワードが実は「見える化」です。可視化することで問題が顕在化され、よって何をどのように改善すべきかに挑戦する。この飽くなき改善スパイラルをITインフラ環境においてどのように実現するか?また実現することで得られる多くの効能。当サイトではITインフラ性能分析からサービスレベル測定に至るまで、具体的に分かりやすく役に立つ情報を提供して参ります。

(担当:株式会社ビーエスピー プロダクト推進部 菅原 潔明)
[2006年3月15日]

性能分析事例 サーバ編1

皆様こんにちは。
三寒四温とでもいうのでしょうか。冬のコートでは少し暑くなってきました。最近はコートを脱いでの外出も多くなってきました。春が始まっているのですね。しかし、この季節を喜んではいられない花粉症。つらい季節が始まりました。花粉症には青ミカンのポリフェノールが効くということで、今年は青蜜柑で花粉症対策です。

さて、前回までにデータの収集についてのお話をさせていただきました。
今回からいよいよ収集データによる分析事例の考察に入っていきます。

<性能分析って難しい?>

「性能分析って難しい」という声をよく聞きます。特別な専門知識が必要だと思っている方が多くいらっしゃいます。確かに日進月歩するシステム技術を考えれば、しきいの高さを感じるのは当然なことかもしれません。しかし、ポイントを絞って仕組みを理解し、観察することで、それほど手に負えないものではないことが分ってくるはずです。重箱の隅の隅まで全てを知り尽くすことは不可能ですが、全てを知らなくても性能分析を行うことはできます。コツさえ掴んでしまえば、必ず行うことができます。そのことを念頭に置いて、読み進んでいただきたいと思います。

<コンピュータの仕組みを理解する>

現在のコンピュータのほとんどがノイマン式アーキテクチャで動作するものです。1949年に最初に作られて以来、性能は天文学的に進化しましたが、その基本的構造は変わっていません。CPU、メモリ、Diskの組み合わせ。誤解を恐れずに言えば、このたった3つの組み合わせはどんなに高価なメインフレームでも、数万円台のパソコンでも基本的には同じであり、その基本的な仕組みも同じなのです。これが最初の手がかりです。それでは、この3つの機能がそれぞれどのように互いに作用しながら、コンピュータが動作するのかを、これから簡単に説明してみたいと思います。

<コンピュータの五大機能>

コンピュータはいくつかの機器から構成されており、大別すれば以下の次の5つの機能に分類できます。

    図/コンピューターの五大機能
  1. 制御装置(CPU)
  2. 入力装置や出力装置、演算装置をプログラムに記述された命令に従って制御しコントロールします。
  3. 演算装置(CPU)
  4. さまざまな演算処理を行います。記憶装置にデータを流したり、受け取ったり、出力装置にデータを流したりしています。
  5. 記憶装置
  6. プログラムやデータが保存される装置です。Memory等のアクセス速度の速い主記憶装置と、補助記憶装置と呼ばれる比較的アクセス速度が低いが大容量のDisk、CD-ROM、DVD等が該当します。
  7. 入力装置
  8. キーボードや、マウスなど、コンピュータに与える命令を入力するための装置です。入力装置からは、演算装置にデータが流れていきます。

  9. 出力装置
  10. 演算装置から流れてきたデータを出力する為の装置です。ディスプレイや、プリンタなどです。

<ボトルネック要因を考えてみる>

ここで、パフォーマンスを検討する上で重要なことは赤い矢印のデータの流れであり、主記憶装置(以下メモリ)→演算装置(以下CPU)へのデータ転送速度と、補助記憶装置(以下Disk)→主記憶装置(メモリ)へのデータ転送速度です。

皆さんはコンピュータの中を見たことがあると思いますが、CPUとメモリはマザーボードに設置される装置であり、Diskはマザーボードから何本もの線でできた平べったいケーブルによってつながっています。また、このケーブルを通ってくるデータは、Diskの中の円盤に格納されたデータをヘッドが探しだして持ってきたもの、つまり機械的動作によってデータは取り出されるわけです。Diskまでは全て電気的特性によってデータの流れが実現されていますが、ここに機械の動きが絡むのですから、いかにこのDiskアクセスが性能を考えるうえでボトルネックになるかは考えるまでもないことです。 ある資料によれば、そのMemory→CPUとDisk→Memoryのデータ転送速度差は1万倍以上の差があるとのことです。要するに、コンピュータのパフォーマンス劣化におけるボトルネックの最大の要因はこのDiskアクセスにあるといっても過言ではないでしょう。ですから、多くのパフォーマンスチューニングのポイントの根幹にある考え方は、「いかにDisikアクセスを減らすか」の工夫であるといえるのです。

図/ポイント

次回はキャッシュ機能についてです。

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