運用事例集

BSP Internationalレポート

[2006年6月21日]

米国における採用と人材教育について

現在、日本では来年の大学新卒予定者の就職活動が真っ最中で、企業からの求人数も増加していると聞いています。そこで今回は、米国における採用と人材教育に関してレポートします。

日本の企業では、景気回復傾向も手伝って相変わらず人材不足だと言われます。これは単に求人数の増加や大学生の減少だけではないと思われます。企業が以前のように、採用後の教育を前提にした汎用的・一般的な採用活動から、自社の経営戦略に従って必要とする人材を明確化して採用をし始めた結果ではないでしょうか。米国では、在学中に企業で業務経験を積むインターンシップ制度やパートタイムジョブ制度があり、早期に就職活動を開始します。企業にとっては採用前に学生の適正を検証でき、学生もまた企業の実力や各自の希望を検証できるメリットがあり、米国では1900年代から始まって既に企業と大学の間で定着しています。日本でも採用されつつありますが、米国が3ヶ月以上の実施期間を設けているのに比べると、日本では数週間単位となっており、その実施期間の大きな開きから企業側のメリットが薄くほとんど受け入れられていないのが実情です。また中国では企業が大学を経営し、自社で必要となる技術を学科として設け、インターンシップ制度と併せて自ら人材育成を行っているほどです。このように日本における採用活動は米国や中国などとは大きな差があり、まだまだ必要とする人材の確保が困難な状況が見受けられます。

また教育プログラムの面では、日本では『2007年問題』として、企業のノウハウを持った人材の一斉退職が注目されていますが、米国でも同様に『ベビーブーマー世代』と言って、現在42歳から60歳の世代の引退に伴う、スキル損失が注目されています。ただし米国においては、スキル損失よりも、購買力の低下や株の放出等によるマーケットに対するインパクトがより重要視されています。それでもFortune 1000社の70%以上において、トレーニングをしていない従業員の増加が、企業成長を妨げる一番の要因になるという報告もあるように、人材流動が激しい米国にあっても確保した人材への教育は重視されています。米国ではITに関する様々な資格制度があり、個人のスキルアップや企業における人事評価制度に多く取り入れられています。日本にも情報処理試験に代表されるような資格試験がありますが、米国の資格試験では実務経験や推薦状が必要となっていたり、資格取得後の再教育プログラムが存在するなど、業務と連動するものが多くあります。このような状況もあって、eラーニングによる教育が盛んに行われています。米国IDCの予測では、米国のeラーニングの市場規模は、2003年は114億ドル、2004年には230億ドルに達するという報告もあったほどです。

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