運用事例集

運用の現場を取材したユーザ事例

[2005年12月14日]

富士ソフトDIS株式会社様

運用の構造改革 第1回
〜ITILの考え方を取り入れた運用システム化への取組み

富士ソフトDIS株式会社は、関東および関西に大規模データセンターを保有し、ダイエー、ローソン、OMC等の企業を主要顧客としてシステム全般のアウトソーシング事業を行っている。膨大な数の業務を日々運用している同社は、運用の効率化・品質向上に取組む中で、「運用全体を最適化するマネジメントの方法論が必要」と判断。ITILの考え方を取り入れ、運用の構造改革とシステム化に取り組んでいる。

ロゴ
お客様会社概要
名称 富士ソフトディーアイエス 株式会社
FUJISOFT DIS Co.,Ltd.
設立年月日 1985年3月2日
資本金 23億3,570万円
売上高 317億7,325万円(2004年度)
事業内容 総合小売業分野、カードビジネス分野、CVS分野の3分野でシステム全般(企画・開発・保守・運用)を一括アウトソーシング受託
特に小売業システムの企画・開発ノウハウを有し、豊富な小売関連のパッケージを基に営業・コンサルタント業務を実施
HP http://www.fsidis.co.jp


店舗1万店・物流センター100箇所・取引先2000社と接続 ――日々 膨大な業務を運用

富士ソフトDIS株式会社の前身は、1985年に株式会社ダイエーの情報システム部門が分社独立し、ダイエーグループ各社にサービスを提供してきた株式会社ダイエー情報システム。2001年に富士ソフトABCと資本および技術提携を行い、2002年6月に現社名に社名変更した。データセンターとして、千葉県に関東データセンター、大阪府に関西データセンターを保有。総合小売業分野、カードビジネス分野、CVS(コンビニエンスストア)分野の3分野におけるシステム企画・開発・保守・運用を一括アウトソーシング受託している。
公的資格として、1988年に関東データセンター、1991年に関西データセンターに対して経済産業省の安全対策事業所認定を受け、2001年8月にISO9001、2002年6月にプライバシーマーク、2003年11月には金融クレジットカードシステムの運用・保守業務に関してISMS認定を取得している。
富士ソフトDISのデータセンターには、メインフレームのほか、TANDEM、UNIX機、Windows機、Linux機、ネットワーク通信機器など多数の機器が設置され、107社・約1万店舗、約100箇所の物流センター、そして約2,000社の取引先と接続。例えば、関東データセンターでは、月間約62万ジョブが処理され、印刷用紙 約1500箱分の印刷業務が行われるなど、膨大な業務が日々運用されている。

図1 利用ユーザとユーザ数
(図をクリックすると拡大表示します)
利用ユーザとユーザ数/図

開発設計と並行して運用設計を実施 ――オープン化に対応した作業工程を定義

左居宗孝氏写真
ITサービス本部
専門部長 左居 宗孝氏

富士ソフトDISの社員数は約470人、協力会社をあわせると約900人にのぼる。同社は、営業関連業務を行う営業本部、アプリケーション開発・保守を担当する開発本部、ITサービスおよび運用を担当するITサービス本部の3本部体制で、システム全般のアウトソーシング事業を展開。ITサービス本部には社員、協力会社あわせて300人が所属している。
同社は、メインフレーム中心の時代から開発方法論としてPRIDEを採用し、開発設計と並行して運用設計を行ってきた。1990年代後半にはいりオープン化が進むにつれ、さまざまなサーバが導入されるようになったため、インフラ設計・導入のフェーズをシステム開発・運用工程に追加し、同社としての作業工程を定義した。ITサービス本部 専門部長の左居 宗孝氏は、「メインフレームの時代は共通基盤が前提でしたが、オープン化によってサーバの種類もツールも多様化し、これまでの手順では運用できなくなった。そこで、オープン化に対応した作業工程を明確化しました」と語っている。

図2 富士ソフトDISの運用
(図をクリックすると拡大表示します)
富士ソフトDISの運用/図

運用品質改善への取組み――ITILと出会う

米沢俊哉氏写真
ITサービス本部 オペレーション部
専門部長 米沢 俊哉氏

ITシステムの品質とは、「お客様から見たときの品質は、‘安定したシステム運用’のこと」であり、そのためには、バグのないプログラム開発、強固なセキュリティや停止することのないインフラ設計・構築が必要になる。一方で、運用する立場から見ると、「システム運用の管理項目が増大している」、「メインフレームとサーバ系の運用文化が異なる」、「サービスレベルの計測や分析が十分になされていない」、「運用ツールが混在していて効率が悪い」といった多岐にわたる課題が存在する。同社でも、「開発部門主導の運用システムになりがち」で、「人的ミスが意外に多い」、「障害を迅速に把握できる基盤がない」など、運用全般のイニシアティブをもつことができず、運用部門として現在および将来への不安を抱えていた。ITサービス本部オペレーション部 専門部長の米沢俊哉氏は、「サービスをマネジメントする基盤の必要性を痛感し、標準的な運用手法と管理が必要と判断して、ITIL(ITインフラストラクチャ・ライブラリ)導入を検討することになった」と語っている。

富士ソフトDISにおける運用改革・運用品質改善への取組みの歴史は長い。「運用改革はメインフレームの時代から取り組んでいます。1980年に自動運用システムA-AUTOを導入し、そのあと帳票管理システムA-SPOOLを現在の株式会社ビーエスピー(当時株式会社ソフトウェア・エージー・オブ・ファーイースト)と共同開発したのも運用改革の一環です」と左居氏が語るように、早い時期から運用の自動化・省力化に取り組んできた。
1990年代に入り、オープン化の進展にあわせた新たな取組みが行われた。1990年代前半には、サーバ監視やバッチジョブ監視の自動化を行い、運用工数の省力化を図った。1998年〜2000年には、前述したようにオープンシステムにおける標準化を実施し、開発工程に沿った運用工程を整備し、運用受入れ品質の向上を目指した(詳細は図2のとおり)。2000年〜2003年には、障害対応アクションの整備を行い、障害発生時の対応手順を整備し、対応時間の削減を図った。その後、ITIL理論と出会い、2004年にITILプロセスに照らした現状分析を実施し、ITILの考え方を取り入れた運用支援システム化を進めている。

図3 運用の品質改善への取組み
(図をクリックすると拡大表示します)
運用の品質改善への取組み/図

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